「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら〜」を見たらメンタルえぐられた話
事の発端は2017年7月27日放送の「櫻井・有吉の夜会」でした。KinKi Kidsがゲストで、昔の映像として「人間・失格」でのキスシーンが流れたんですよね。それを見て「年頃の少年達になんつーことをさせとんだTBSは!」と思って興味を持ちまして。
しかし、ネット上では「キスシーンにつられて気軽に見ると後悔する」「トラウマ」「激重」「鬱」など言われていました。
そんなん見たら逆に見たくなるのが人間の性。
というわけで、まずはウィキペディアを見ました。そのページ置いておきます。→
おっも……。
え、こんな重いん?昨今見ないレベルの激重さ。こんなんトラウマ必至ですやん……。
ですが、ここまで見ると見たくなるのが人間の性。借りてきました。
やっば……。
重いしえぐいし辛いし、なんだろう。今放送したら非難轟々なんだろうな、そんな内容でした。だって↑の活字であれなんですもん。映像がつくともう…。なんて言ったらいいんだろう。みんな悪いんだけど、完全な悪者がほとんどいない。みんな何かしら抱えて現状に至ってしまって、そしてそれに気づかなかったのも仕方がなくて。もう辛い…。
男子校での話ということで大半の登場人物が男性なんですが、数少ない女性の森田先生や夏美さんがとても強い。また森田先生に関しては泣き虫で何も言えなかった新米教師から裁判を起こそうとするまで成長してるんですよね。その強さが眩しい。
あとはもうなんて言ったらいいんだろう。とりあえずみなさんの演技力が凄まじくて。大人はもちろんのことキンキをはじめとする子どもたちも。だからこそここまで心がえぐられるんでしょうね。
そこで唐突に話が変わりますが、1つ気になったのが、「なぜ留加が誠を愛したのか」ということなんです。で、個人的に1〜6話までで思ったことをTwitterにだらだらと書き連ねてたのでここでちょっとまとめて。拙い考察ですが、興味があればどうぞ。「人間・失格」の内容に細かく触れているので知りたくない方は戻るか飛ばしてください。
留加の誠に対する想いについてなんだけど、まず前提として。留加は理解者である新見に寄りかかるも、真逆な森田先生に惹かれ、リハビリと称して森田先生を撮り、新見曰く心のバランスを取っていた。これも留加の愛を知らないなりの人の愛し方だったのかなと。多分この時、留加は森田先生のことが好き
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
そして誠と出会う。最初は普通に友達だった。話してて楽しい友達。そしてHRでいじめの話で意見を言う誠に何か感じた。今まで接してきた人とは違う、歪んだ自分とは真逆でまっすぐな誠。それで興味を示したのではないかと。多分まだこの時点では友達
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
誠がいじめの対象となる。今までいじめられて立ち向かわなかった武藤を見ていたので、武藤と違っていじめられて掴みかかる誠にさらに興味を示す。でも助けない。「仲良くしてるといじめられる」は留加の子どもらしい本心ではないかと
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
でも誠への興味はなくなっているわけでなくて。もしかしたら誠への興味がすでに愛情に似た想いに変わりつつあったのかも。それで「恋愛したことあるかい?」と尋ねたのかも。そこで森田先生への想いを打ち明けるのは、他人に心を閉ざしがちな留加が誠に心を開いてる証だったのでは
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
でもその後誠を襲撃した黒幕は留加なんだよな。ちょっとこれが分からないんだけど、これはいじめられたくないことからなのか、歪んだ愛情なのか
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
そしてある日のプールの授業後、学校で、他に見られる危険がある中初めて誠に手を伸ばすという接触を見せる留加。この流れがよく分からない。やっぱりこのあたりは自分が学校で平穏に過ごすためなのかなんなのか
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
で、森田先生に誠が気になるか、転入生だからというだけで気にかけるのかと尋ねる。これは森田先生への愛情からくる誠への嫉妬なのかな。その嫉妬の想いからウサギ小屋で襲撃したのかも。でも、森田先生と誠を守る約束をしていじめることなく守ることを決めた。
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
この時点で誠へ抱いてるのは限りなく愛に近い友情なのかなと。嫉妬はこの時消えたかと
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
再び仲良くなった2人がスケート場へ行くと逆ナンに会う。ここで自分が咥えたたばこを誠に渡してるんだけど、これは共犯の印かそれともそういうことなのか。どっちだ!
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
で、トイレでキスされても何も思わないどころか首を絞める留加。多分この時誠への想いが大きくなったのかも。キスしても何も思わない。じゃあ自分がキスしたいと思える相手は誰なのかみたいな?
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
爆竹事件で周りを気にすることなく誠を庇う留加。その怒りをぶつける。迷うことなく完全に守る側に立ってる。多分先生に言われたからってのを超えてる
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
そして体罰を受けた誠へキス。この時の目がすでに愛しいものを見る目なんですよね。ここで確実に誠への愛を自覚したというか、もしかしたら気づいてないけど気づかぬうちに誠のことを愛し始めたのかなと。多分気づいてないか
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
翌日、ランニングで倒れる誠に真っ先に駆け寄り宮崎を睨みつける留加。手伝うと申し出る武藤にも触るなと怒鳴る。それは守る気持ちからなのか誠への愛からなのか
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
保健室で誠の唇、自身の唇をなぞるのは、多分自分でも予想だにしなかったのではないかなと、あのキスは。その後家で母の恋人の車を傷つける時に言った「友達だろ?」は自分にも問いかけたのでは
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
朝いつも通り誠に声をかける、母のコラ写真が出てきて一気に憎む対象へ。でも愛してしまってるからどこへぶつけていいかわからず、武藤へぶつけ、それを通じて誠を苦しめようとしたのかな
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
新見から「森田先生に惹かれていることもそうじゃないことも知ってる」と言われてハッとしてるんだけど、もしかしたらこの辺りから自覚し始めたのかもしれない
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
誠に対して友達でしょと言われ「あんな奴友達じゃない!」には憎んでいるからの他に、彼に抱いている感情は友達で収められるものじゃないというのもあったのかなと
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
数日休んでた誠が登校してきて、留加はかなりびっくりしてて。本を持つ力が抜けるほど。そしてまだ憎んでたから、屋上で血を抜くことを提案して実行しようとした。でも愛していたから実行できなかった
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
屋根にのぼる誠に手を差し伸べたのはただ助けたかったから。憎んでいたけど愛している相手を失いたくなかった一心だと。このシーンではもう誠を憎んでなんかいないと思う
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
そして誠は転落。そこからの落ち込みっぷりがすごい。自室にこもるわ泣くわ休むわ。多分助けられなかった後悔もあるのかな。屋上であんなことをしてしまった後悔とかも。そして、おそらく誠が助からないこともこの時知ってた
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
学校を休んだその夜、初めて「誠が好きなんです」と口にする。親でも新見でもなく森田先生に伝えたのは、数少ない心を開いていた存在だったからなのかな。それを伝えて多分心の整理がついたから翌日登校したのかも。
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
でもそこで誠の死を知ってしまった。誠の死を予見してたけど、どこかで助かって欲しかったのかな。森田先生に「誠は死ぬんですね」って言ったのも、否定して欲しかったのかもしれない。
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
もうそこからは狂っていってますよね。家中のグラスを投げまくり、母に手をあげ、叫び、こもり、ガラスに額を血が流れてもなおぶつけ続け。心の支えがなくなってしまった
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
心の支えといえば誠にとっても留加は心の支えだったのに、それが新見の写真によって折られてしまった。だから手を取ることができずに命を絶ってしまった。つらいなあ
— 松実 (@mm1247w) 2017年8月14日
そして残り8話以降についても軽くまとめてみます。
新見が留加への想いを改めて伝えるところで「それでも許されることの愛なのかって」って言われて、それまで反応しなかった留加が「愛?」と反応。その後新見からのキスを拒絶し、「僕は誠を愛してた。たとえ永遠に知られることはなくても離れずに友達でいれたらと」と。もしかしたらここで誠への愛を再確認、整理してたのかも。誠には新見のように、想いを誠自身に伝わらなくてもいい。ただ一緒にいたかったと。
夏美から誠がカメラを盗んだと話を聞く。そこで「誠はカメラなんか盗んでいない」。これはそう思いたいという気持ちからではなく、誠のことを1番そばで見ていたからこそ確信しているんだと。
その後新見の元で数々の写真を発見。新見から「君も死ぬといい。愛する者の元にたどり着けるかもしれない」と言われ、自殺未遂を起こす。その前、誠の机で「話をしていた」というのも、「今から会いに行くよ」的なことを誠に伝えていたんでしょう。
自殺未遂後、「僕が誠を殺したんだ!」と叫び昏睡状態に。こうして言葉にすることで改めて自覚してしまったんですかね。自分が愛する誠を殺してしまったと。
その見舞いの帰り道、新見が森田先生に「頭の中のハエが羽音を立てるんだ。君は必要じゃないんだ。なぜ生まれてきたんだって」と言う。これは留加も誠に出会ったばかりの頃や家に母の不倫相手が来た時、誠が屋上から転落してからも言っていました。でもそれ以外、誠といる時は言わなかった。誠が留加に笑いかけることで必要とされた、生きている意味を感じたのかなって。生まれてから誰からも祝福されず疎まれていた中で、初めて向けられた純粋な笑顔に。
昏睡状態になり、衛に殺されそうになるも涙を流して誠の名前を呼んだことで助かる。後にも先にもこれ以外で動くことも声を発することもなかったので、どれだけ大きな存在だったかが分かって辛い。
昏睡状態から目覚めると、幼児退行。これまじできつい…。映画「ベルセルク 黄金時代篇」のラストでキャスカが幼児退行した時も結構ショック受けたんですよ。なんだろう、なんで幼児退行がここまで心にくるんだろう。
でも幼児退行した留加は何も知らないのですごく穏やかな顔をしてるんですよね。それがまためちゃくちゃ可愛いのが辛い!!
で、親友の名もなきハツカネズミに誠と名前をつけてるんですよね。誠のことは心のどこかで覚えていたんでしょうけど、それ以上に気になったのが、ハツカネズミに対する態度。親友とはいえ、以前は連れ歩きつつも大して可愛がりもせず、時に怒りに任せて握りつぶしそうになってたり。それが目覚めてからはめちゃくちゃ撫でてとても可愛がってる。幼児退行もその要因かもしれませんが、ただ誠のことを覚えてるだけじゃなくて「誠は大切な存在」ということも心が覚えていたのかなと。ここまで大切だと今後留加の目の前に現れる人は誰も太刀打ちできないのでは。
「なぜ留加が誠を愛したのか」から脱線してる気もする…。
はい!脈絡も着地点もない考察以上です!
何が言いたいのかどこまで言っていいのかちょっと自分でも分かってませんが、本当にこれは多くの人に見て欲しい。トラウマになろうと今この時代にたくさんの人に見てもらいたい作品だと思いました。
DVDとしてレンタル、販売やっていますので、ぜひぜひ見てください。メンタルがやられても大丈夫。特典のインタビューがすこぶる可愛いので!!!